地震の予知はできますか?

地震の予知

地震の予知はできますか?

地震を予知するということは、地震の起こる時、場所、大きさの三つの要素を精度よく限定して予測することです。例えば「(時)一年以内に、(場所)日本の内陸部で、(大きさ)マグニチュード5の地震が起こる」というようなあいまいな予測や、毎日起きているマグニチュード4程度以下の小さな地震を予測するような場合はたいてい当たりますが、それは情報としての価値はあまりないと考えます。少なくとも「(時)一週間以内に、(場所)東京直下で、(大きさ)マグニチュード6~7の地震が発生する」というように限定されている必要があります。時を限定するためには、地震の予測される地域で科学的な観測が十分に行われ、常時監視体制が整っていることが欠かせません。

そのような体制が整っていて予知のできる可能性があるのは、現在のところ(場所)駿河湾付近からその沖合いを震源とする、(大きさ)マグニチュード8クラスのいわゆる「東海地震」だけです。それ以外の地震については直前に予知できるほど現在の科学技術が進んでいません。

東海地域にはどのような監視体制がとられていますか?

東海地震の前兆現象を捉えるため、東海地域及びその周辺に各種の観測機器が設置されています。これらの機器には気象庁が整備した地震計、地殻岩石歪計のほか、国土地理院、海上保安庁、独立行政法人防災科学技術研究所、独立行政法人産業技術総合研究所、東京大学、名古屋大学及び静岡県の各機関が設置したものがあり(地震、地殻変動、
地下水等)、気象庁にデータが集められ、常時監視しています。

東海地震は必ず予知できるのですか?

必ず予知できるのかとの問いには、「いいえ」となります。

東海地域の観測網により前兆現象をとらえることができた場合のみ、気象庁は東海地震に関連する情報を発表してみなさんにお知らせすることができます。どのくらいの確率で前兆現象をとらえることができるのかは、残念ながら「不明」です。

東海地震予知の鍵となる前兆現象は、前兆すべりと考えられています。前兆すべりとは、震源域(東海地震の場合、プレート境界の強く固着している領域)の一部が地震の発生前に剥がれ、ゆっくりと滑り動き始めるとされる現象です。気象庁は、東海地域に設置した歪計(ひずみけい)で前兆すべりをとらえようとしています。

逆に、このような前兆すべりがとらえられない場合(前兆すべりの規模が小さすぎた、前兆すべりが沖合で発生した等、観測網でとらえられなかった場合。前兆すべりが生じるとする考え方が誤りであった場合。)や前兆すべりの進行があまりにも急激で時間的に余裕がない場合には、残念ながら情報発表がないまま地震発生に至ることになります。

≪気象庁より抜粋≫

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